私と英語ディベートとの出会いは、大学ESS(英語研究会)でした。授業そっちのけで、明けても暮れても英語ディベートにのめり込んでいました。
今でこそディベートは市民権を得ていますが、当時は海のものとも山のものとも知れぬ、一般になじみの薄いものでした。
その得体の知れなさが逆に、新しいもの好きの私の関心を引きつけ、迷わず私は英語ディベートの世界に足を踏み入れました。
私の大学のESSは当時、部員が100名以上いたため、公式試合の前に校内予選がありましたが、運よく大学代表として選ばれ、本大会で3位に入賞することができました。
これが、私がディベートにはまったきっかけです。
教養系クラブの中でディベートはスポーツに近い世界です。なぜなら、勝つか負けるか白黒がはっきりするからです。
長年、英語教育に携わってきた私のバックボーンには間違いなく、この英語ディベートで培った経験が強く影響を及ぼしています。
ディベートにより私が得たものは主に以下の8つです。
- 論理的思考力(ロジカル・シンキング)
- 審査員や聴衆を説得する話術(スピーチ・デリバリー)
- 試合に勝つためのエビデンス(証拠資料)を集めるため、大量の英字新聞や雑誌を読むことで得られる速読力
- 日本語記事を英語に訳す過程で培われる、英語で書く力
- 特定の論題について半年間勉強し続けることで得られる、語彙力
- 時事問題の知識
- 証拠資料を吟味する過程で得られる、信憑性のある記事を見抜く批判的思考力(クリティカル・シンキング)
- 肯定側と否定側から論題を探求することで得られる複眼的視点