藤原先生による教育コラム

私と英語ディベートとの出会いは、大学ESS(英語研究会)でした。授業そっちのけで、明けても暮れても英語ディベートにのめり込んでいました。

今でこそディベートは市民権を得ていますが、当時は海のものとも山のものとも知れぬ、一般になじみの薄いものでした。
その得体の知れなさが逆に、新しいもの好きの私の関心を引きつけ、迷わず私は英語ディベートの世界に足を踏み入れました。

私の大学のESSは当時、部員が100名以上いたため、公式試合の前に校内予選がありましたが、運よく大学代表として選ばれ、本大会で3位に入賞することができました。
これが、私がディベートにはまったきっかけです。

教養系クラブの中でディベートはスポーツに近い世界です。なぜなら、勝つか負けるか白黒がはっきりするからです。
長年、英語教育に携わってきた私のバックボーンには間違いなく、この英語ディベートで培った経験が強く影響を及ぼしています。

ディベートにより私が得たものは主に以下の8つです。

  1. 論理的思考力(ロジカル・シンキング)
  2. 審査員や聴衆を説得する話術(スピーチ・デリバリー)
  3. 試合に勝つためのエビデンス(証拠資料)を集めるため、大量の英字新聞や雑誌を読むことで得られる速読力
  4. 日本語記事を英語に訳す過程で培われる、英語で書く力
  5. 特定の論題について半年間勉強し続けることで得られる、語彙力
  6. 時事問題の知識
  7. 証拠資料を吟味する過程で得られる、信憑性のある記事を見抜く批判的思考力(クリティカル・シンキング)
  8. 肯定側と否定側から論題を探求することで得られる複眼的視点

次回につづく。

藤原先生プロフィール

藤原敏晃先生

同志社大学文学部・法学部卒業。 Z会で30数年勤務し、通信添削・出版・教室事業すべてを経験。退職直前の数年間は海外大学進学者向け英語スクールにて取締役。直近の数年…

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